1. 笑いや恐怖という情動を喚起するように編集した各30分間のビデオによる視聴覚刺激をもちいた情動刺激および30分程度のジョギング実施の各条件における精神状態ならびに免疫能の変化に関する実験データを解析し、国内学会で公表した。衝撃映像を用いた不快な情動刺激による精神状態や免疫能への影響は特にお笑い刺激による変化と大きく隔たっており、ネガティブな方向への精神状態の変化やNK活性の低下などが著明であったお笑い刺激による精神状態の好ましい変化も著明であった。2種類の情動刺激は心身両面への影響方向を異にしていた。刺激の段階評定と刺激によって生じた精神面あるいは免疫能を含む血液検査値の変化にはある程度関連がみられた。運動による精神状態の変化は衝撃映像刺激よりは好ましいものであったが、期待したほどではなかった。運動の主観的強度が高くなりすぎていた被験者が混在していたためかもしれない。運動後は白血球像に変化が見られた。 2. 2カ月間の有酸素運動が精神状態、体力、免疫能等に及ぼす影響について、エアロビックダンスを含む多種目の運動を用いて、日頃運動不足気味の女性11名を対象に、心理テスト、体力テスト、血液検査などを運動期間前後に行うことにより多面的・実験的に検討した。 3. 蓄積データの整理と解析を行った。 4. 30分の運動の精神影響を練習条件と勝敗および報酬を伴う条件で比較した成果を公表した。報酬までを伴う試合で負けた場合には、好ましい精神影響が失われていた。
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