研究課題/領域番号 |
09680119
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
竹島 伸生 名古屋市立大学, 自然科学研究教育センター, 助教授 (00137126)
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研究分担者 |
山本 高司 中京大学, 体育学部, 教授 (20072655)
早野 順一郎 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (90173054)
高石 鉄雄 名古屋市立大学, 自然科学研究教育センター, 助教授 (50216610)
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キーワード | 高齢者 / レジスタンス運動 / 筋力 |
研究概要 |
健康づくりのための高齢者における新しい運動処方のあり方について検討するために、平成10年度の研究では、油圧抵抗マシーンによるレジスタンス運動(筋力づくり)を用いて運動の有効性について検討した。対象者はこれまでに特別な運動習慣を有しない高齢男女38名である(平均年齢68±5歳)。このうち、運動群(E)は18人、非運動群(C群)は20人とした。トレーニングは、3日/週、1回約60分間(主運動30分間)程度の運動を12週間実施した。内容は、準備運動10〜15分、レジスタンス運動を30分、整理運動を10〜15分とした。8種類の油圧マシーンを利用し、全身の大筋群を使って運動をおこなわせたが、最初の一ヶ月間は油圧抵抗ダイヤルを2とし、以後徐々に抵抗を増加させた。運動はすべて最大運動でおこなうように求め、抵抗が小さい場合(ダイヤル2)には15回、抵抗が大きい場合(ダイヤル5または6)には10回を目標として運動をおこなった。レジスタンス運動の結果、E群では体重の変化を認めなかったが、体脂肪率の有意な低下と筋厚の増加を認めた。筋力評価は油圧によるマシーン(ハイドラオムニトロン)を用いたが、4種類の油圧孔(ダイヤル2、5、8と11)を利用した4種類の運動様式(膝、肩、胸、腹背)下でパワーと最大トルクで、多くの条件で有意な増加を認めた。乳酸性閾値、ピーク時の酸素摂取量、サイドステップ、HDLコレステロールなどにも有意な改善を認めた。一方、C群ではトレーニングによる変化を認めなかった。以上から高齢者の定期的なレジスタンス運動により筋力、体組成、一般的体力測定結果などに良好な効果が認められた。レジスタンス運動は邦人高齢者においても有効な運動となるものとみられた。
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