前年度Pilot studyによって動作特性を検討した日常生活動作の、"椅子からの立ち上がり"動作に関して、体力レベルの高い在宅高齢考5名と、老人保健施設に居住ずる高齢者30名について映像解析による分析を行い、体力レベルと動作特性の関連について検討した。 (1) 立ち上がり動作時の体幹の前傾角度、股関節屈曲角度、膝関節屈曲角度は体力レベルの低い群の方がいずれも大きかった。体力レベルの高い群の値は若年者とほぼ同じであり、加齢の影響はなかった。 (2)脚伸展筋力と(1)の動作特性には関連が見られ、また脚伸展筋力レベルが低い者ほどより低い椅子からの立ち上がり動作の遂行が困難であった。 (3) 老人保健施設の群では、歩行速度と脚伸展筋力、ステッピングの成績などが関連していたが、立位姿勢での足圧中心動揺とは明確な関連は見られなかった。 老人保健施設でのデータ収集およびその解析については今後も例数を増やすべく進め、当該施設での運動プログラムとの関連などについて検討を行い論文にまとめる予定である。
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