パフォーマンスに適した心理状態に、自分自身をコントロールできるようにすることを目的とした自律訓練法を用いた優勢Fp_2α_2波バイオフィードバックトレーニングによって、注意の一点への集中状態を強める方法を検討するため、女子大生18名(18〜23歳)について実験した結果、次のような結論を得た。 (1)注意が一点に集中している状態の時、優勢前額皮上電位α_2波(優勢Fp_2α_2波)が多く出現する。 (2)自律訓練法を用いた優勢Fp_2α_2波BFTによって、優勢Fp_2α_2波を多く出現させることができる。 (3)自律訓練法を用いた優勢Fp_2α_2波BFTによって優勢Fp_2α_2波を多く出現させた時、注意の集中状態がより向上し、パフォーマンス(一点集中)成績も向上すると考えられる。 (4)疲労度が大きい時、優勢Fp_2α_2波もあまり出現しないし、パフォーマンス(一点集中)成績もあまり向上しないと考えられる。 (5)フリッカー値の変化値(変化)からみた視覚疲労と一点集中成績の伸び率(変化率)とは正の相関関係が認められたが、この問題はさらに実験を重ねて検討すべき課題である。 (6)優勢Fp_2α_2波の出現率はフリッカー値及びパフォーマンス(一点集中)成績の両方に有意な相関関係を示す。 (7)優勢Fp_2α_2波BFT群の方が統制群よりパフォーマンス(一点集中)試行による視覚疲労が少ないと考えられる。
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