研究課題/領域番号 |
09680152
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
田林 明 筑波大学, 地球科学系, 教授 (70092525)
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研究分担者 |
松井 圭介 筑波大学, 地球科学系, 講師 (60302353)
森本 健弘 筑波大学, 地球科学系, 講師 (20282303)
斎藤 功 筑波大学, 地球科学系, 教授 (90006586)
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キーワード | 持続的農村 / 女性 / 兼業化 / 高齢化 / 農村コミュニティ / 自然環境 / 都市農業 |
研究概要 |
昨年度に引き続き、(1)既存の文献の検討、(2)統計的な分析、そして(3)事例調査という3つの側面から研究を進めたが、本年度は事例調査に中心をおいた。まず、研究代表者は持続的農村システムと女性農業者に関する文献の検討を継続した。統計的な分析については、研究分担者の森本が、市町村レベルで生産農業所得統計と旧市区町村カードを用いて全国規模の分析を進めた。1960年代と1970年代には女性労働力によって日本農業は大きく支えられていたが、農業労働力の高齢化が進むにつれて、女性農業就業者の役割は相対的に低下している。しかし、農村社会の中で女性が現実に果たす役割が大きく、特に農外就業が強く浸透した都市周辺地域ではその傾向が強いことがわかった。 また、研究代表者と分担者は各地でそれぞれ地域調査を実施し、昨年に引き続いていくつかの研究成果を発表した。研究代表者は富山平野と、茨城県のひたちなか市と守谷町などで、農村の維持機構と女性の役割について調査した。守谷町の女性農業クラブの活動については、ポルトガルで開催された持続的農村システムに関する国際シンポジュウムで発表し、内外の専門家と意見を交換することができた。また、ポルトガルにおける持続的農村実現の取り組みと女性の役割について情報を収集した。研究分担者の斎藤と森本は関東地方の軽種馬生産について持続的農業という観点からまとめ、また、斎藤は千葉県や福岡県で農村調査を行うとともに、ブラジルやアメリカ合衆国での調査結果と日本の状況を比較検討した。森本も昨年に引き続き常陸太田市の山間農村のコミュニティ活性化に取り組む農村女性の活動について分析を進めた。松井はつくば市豊里地区において、女性の宗教活動について調査し、年齢別に複数の講集団が組織され、これが農村コミュニティの持続性実現に大きく係わっていることを明らかにした。
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