研究課題/領域番号 |
09680159
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山田 誠 京都大学, 総合人間学部, 教授 (70086172)
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研究分担者 |
天野 太郎 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助手 (70293933)
金坂 清則 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (00092825)
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キーワード | 近代都市 / 連続性 / 非連続性 / 軍港 / 港湾都市 / 土地区画整理事業 / 横浜 / 大阪 |
研究概要 |
本年度は、1)近代において新たに都市システムの中に登場してくる都市にはどのような類型のものがあり、それらの都市の実態はどのようなものであったのか、2)前近代から近代を経て現代まで連続して存続してきた諸都市において、それらが新しい時代に即応した都市として存続していくために、近代の時期にどのような計画的配慮がなされたのか、といった点を明らかにすることに研究活動の中心が置かれた。 1)のテーマに関しては、山田と金坂が主として研究を進めた。山田は、近代になって、それまでとは非連続な形で出現した都市として、(1)大港湾都市、(2)近代工業(および鉱業)を基盤とする都市、(3)北海道開拓に伴って形成された都市、(4)海軍軍港都市などがあることを指摘した上で、それらの中で、(3)と(4)を取りあげて、それらの都市の成立・存続の基盤について論述・解明し、類型(4)が実は類型(2)の性格を併せもったことをも明らかにした。さらに山田は、本来1945年の日本の敗戦によって過去と断絶したはずの軍港都市が、今日の海上自衛隊の組織においても完全な形でその機能を維持していることを指摘し、近代から現代への顕著な連続性を明らかにした。また金坂は、(1)に属する横浜を取りあげて、そこに居住ないし来航する欧米人(当時欧米の植民地であった地域の人々を含む)に対するサービスに従事する通訳者集団の成立や居住地立地の問題について、同氏の固有の研究テーマであるイザベラ・バード研究との接点から明らかにしている。 一方天野は、上記2)のテーマを追求した。ここでは、近代の大阪における土地区画整理事業の遂行過程をたどることによって、大阪がその時期に郊外へと大きく発展を遂げていくのが可能になった、その背景の一端を明らかにした。
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