研究概要 |
後氷期広域示標テフラ噴出年代の高精度年代決定,および中央構造線活断層系の活動時期の年代決定を中心に研究をすすめた.対象とした地域および対象は,北海道南西部(白頭山-苫小牧火山灰),北海道東部(摩周-b火山灰),伊豆(カワゴ平火砕流-火山灰),および愛媛県松山市周辺の中央構造線活断層系である.また,長野県伊那谷周辺地域の土石流堆積物中から採取された樹幹試料の年輪年代とWiggle Matchingを用いた高精度年代決定についても検討した.今年度採取した試料について,予察的な年代測定を実施するとともに,より高精度に年代を決定するための手法について検討をおこない,来年度年代測定を実施する予定である.名古屋大学年代測定資料研究センターにおいて1998年1月に開催された『名古屋大学タンデトロン加速器質量分析計シンポジウム』において,加速器質量分析計を用いた^<14>C年代測定の現状について(中村),中世樹幹試料の高精度年代決定(奥村),ネパールの氷河の放射性炭素同位体年代による編年(八木)に関する研究報告を行った.この報告内容は名古屋大学加速器質量分析計業績報告書に掲載される予定である.また,このシンポジウムの際に研究打ち合わせの会合を行い,現状と今後の方針について討議をおこなった.
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