資源・エネルギーに関する教育についての基礎的研究の2年度目・平成10年度においては、我が国から諸外国に焦点を移し、ドイツとアメリカの前期中等科学教科書に基づき分析・取りまとめを行った。 一つには、ドイツの前期中等物理教科書に基づき、環境(問題)先進国と評される(西)ドイツに編入という形で統一されていった(旧)東ドイツ(地区)において、「エネルギー」はかつてどのように扱われ、その取り扱いはどのように変化してきたかを、環境・エネルギー・資源問題から考察した。その研究成果は、「ドイツの前期中等物理教育における『エネルギー』の取り扱い」と題して、平成10年8月5日に開催された日本理科教育学会全国大会(長崎市)において口頭発表した。 二つには、アメリカの前期中等科学教科書を基本資料にして、我が国の中学校理科における新しいテーマ「資源」の取り扱いに関する授業展開の検討という意味で、講義の中で受講生ととも、授業研究をすすめてきた。その研究成果は、「前期中等科学教育における『資源』の取り扱い-アメリカの教科書『Merrill Life Science』に基づく授業研究の試み-」と題して、平成10年11月28日に開催された日本理科教育学会中国支部大会(山口市)において口頭発表した。それはまた、加筆修正後、岡山大学教育学部・教育実践総合センター研究年報、Vol.1(L999/3)において公表している(印刷中)。 イギリスについては、まず、教科書についての情報収集から始め、今年度は、前期中等科学教科書の特定・選択・発注を行い、来年度に行う研究の基本資料を入手できた。
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