資源・エネルギーに関する教育についての基礎的研究の最終年度・平成11年度においては、新たに入手したイギリスの前期中等科学教科書と、アメリカ・ドイツの前期中等科学教科書に基づき分析・取りまとめを行った。 一つ目は、歴史的研究として、東ドイツ/旧東ドイツ地区の前期中等教育段階用物理教科書を用い、環境先進国であるドイツの前期中等教育段階における「エネルギー」の取り扱いの変遷について、その特徴などを明らかにした。 二つ目は、比較教育学的研究として、アメリカ・イギリス・ドイツの前期中等科学教科書における「エネルギー」の取り扱いについて、それらの共通点や相違点を明らかにした。 三つ目は、授業研究として、本年度の「中等理科教育学」の講義で、昨年度の「前期中等科学教育における『資源』の取り扱い-アメリカの教科書に基づく授業研究の試み-」を踏まえて、「資源」を「(省)エネルギー」に変え、アメリカの教科書をイギリスの教科書に変えて、その試みを行った。 四つ目は、大学教育方法の改善として、本年度の「理科教育学演習」・「理科教育学特別演習」の授業で、日本とイギリスの前期中等科学教科書を用い、「資源」に関わる項目を学部生・院生に抽出・分析・検討させ、比較教育学的研究方法の習熟を図った。その成果は学部研究紀要などで公表するため、準備中である。 最後に、これまでの3年間の成果をとりまとめ、報告書を作成・配布した。
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