研究概要 |
情報処理演習を学問全体のインフラ・ストラクチャーとして位置づけ,著しい進歩を示す情報化社会に対応して,情報処理演習をどのように展開するかという問題は,特に,非情報学科系における自然科学系学科の情報処理演習のあり方を考える上で,重要な課題となっている。本研究はそうした要請に応える,具体的な情報処理演習内容を構築することを目的としている。すなわち,a.プログラミング演習,b.表計算アプリケーションソフトを利用するマクロ作成の演習,そしてc.JAVAプログラミングを取り込んだWWWページの作成という3種類のプログラミング演習を行い,受講生の関心,意欲,理解度から総合的に演習形式のあり方を考察し,効果的で且つ応用力を培う情報処理教育を創造することを目的として行われている。 本年度は特に,3種の演習内容の検討,実施,そして受講後ののアンケートを基に,関心と理解度を高めるべく検討がなされた。その結果,視覚的に作品として表示できるJAVAプログラミングに関して最も学生の興味があることが明らかになり,逆に抽象的なアルゴリズムをベースとするプログラミング学習やマクロはなじみにくいものであることがわかった。したがって,今後は,より具体的なテーマを主眼としたプログラミング作成を行う必要性があることが課題として残された。また調査の中で,情報処理演習の受講生は,興味および理解度において明確に2極に分化する傾向があることが明らかとなった。こうした分化の要因が何によってもたらされたのかを解明することも,今後の情報処理教育をより多くの受講生に有効に展開するために必要であるとの認識に至り,次年度の重要な課題とすることにした。
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