研究概要 |
非情報学科における情報処理演習を指導するにあたり,情報リテラシー演習を乗り越えた効果的な演習内容の創造が全国的に,緊急かつ,重要な課題となっている。 本研究はそうした要請に応える情報処理演習内容を,具体的に提言することを目的として行われた。すなわちa.音響解析を行うためのプログラミング演習,b.表計算アプリケーションソフトを利用するマクロプログラミング演習,そしてc.JAVAプログラミングを取り込んだWWWページの作成という,異なる角度からの3種類のプログラミング演習を行い,受講生の関心,意欲,理解度から総合的に考察し,応用力を培う情報処理教育を創造することを目的として総合的な検討がなされた。 課題の最終年度にあたる本年度はまず,学生を雇用する企業サイドから,大学の情報処理演習にどのような内容を期待するかの実体を把握することから行われ,その結果,情報リテラシーをまず基盤とした上に,さらに技術系として採用する学生に対してはプログラミング,MSDOS,CADなど幅広い履修内容を期待するとともに,情報における創造的意欲を特に求めていることがわかった。そこでプログラミング教育のさらなる発展として,昨年度明らかになった学生のグラフィックに対する関心の深さを背景とし,さらに情報処理分野における多様的な萌芽を育成するため,意欲的に取り組む特定の学生に対してプログラミング操作を含むVRMLによる画像処理を指導した。その結果,学生は熱心に取組み,応用力において著しい進歩を示し,最終的に,3次元ロボット画像で手話を表現する作品,および折り紙の過程を立体的に画面表示する作品等を制作することができた。 以上の結果,非情報処理学科においても充分な,導入とプログラミング指導によって情報処理における充分な応用力を養成できることが可能なことが明らかになった。
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