理学療法臨床実習で共通に学習していく理学療法過程の6段階の項目として、これまで用いた学生用の76項目の自己評価チェックリスト(学生用リスト)と実習指導者用(SV用リスト)52項目のチェックリストのそれぞれの項目の見直し、信頼性と妥当性の検討を行った。 2つのリストの計128項目に新たに22項目を加えた150項目を、ランダムに並べた後に、指導者、養成校教員各10名による項目分類とその一致度から150の項目は、65項目に集約可能であった。得られた65項目はランダムに並べた後に再度教員、指導者25名づつに理学療法過程の各段階のいずれに該当するか記入させ、一致率が高い60項目を新規チェックリストの項目として採用した。60の項目で一致率が最も不良な項目でも85%以上の一致率であった。 新たな60の項目に学生用(自己評定)・指導者用(他者評定)の7段階評定(「できた」から「まったくできなかった」)を付けた後に、学生と直接指導した実習指導者50組に対して学生の実習終了時の達成度をアンケート形式で評定させた。得られたデータをもとにして学生群、指導者群別にCronbachのα係数と折半法により信頼性を検討したところ、いずれも高値を示し信頼性は保たれていると考えた。 ペアとなる学生と指導者間の相関性をそれぞれ求めたところ、相関性の不良なペアが約25%認められ、これまで報告したように学生の過大・過少評価だけでなく指導者の評価の信頼性も今後検討される必要があった。今後、指導者の教授認知傾向、及び学生の学習認知傾向を別項目としてリストに加え、学生-指導者間の評価の乖離をみる必要もある。 なお、本研究結果は現在投稿準備を進めております。
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