調査用紙の信頼性の確認と臨床実習中の学習状況を把握し実習各時期の全体目標を立てること、また、学生の自己評定と指導者による他者評定の乖離状況を把握し、実習成績と対比することを本年度の研究目標として研究を継続した。 前年度に検討を加えて改編した理学療法学臨床実習チェックリスト(以下チェックリスト)を用いて、1)実習終了後の学生およびその指導者のペア80組、2)設立母体のことなる養成校で、ペアを組まない学生124名、指導者86名に対して別々にアンケート調査を行って実習各時期の学習状況を把握し、1)の群に対しては別に実習成績の総合評価と各項目別評価も採集した。 結果、1)の群では全体目標を立てることが可能であったが、2)の群で求めた全体目標とは幾つかの項目で異なり、養成校ごとに異なる臨床実習の展開形式の相違によって、全体目標をどのように修正するか今後検討が必要となった。 1)の群で学生と指導者の評定に関して対比を行ったが、両者の相関性は学生0.87と高く、ほぼ自己評価と他者評定の乖離は大きいとはいえなかった。しかしながら、成績不良者で過大評価が多く認められこの群に対する指導の在り方を別途検討される必要があるといえた。また、臨床実習で用いられている臨床実習成績表に関して数量化3類を用いた分析の結果、実習成績表の信頼性は高いといえた。
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