研究概要 |
コンピュータを利用した学習は、人間とシステムの対話によって展開される。学習は個別化し操作過程や学習課程は学習者毎に異なる。したがって,操作履歴あるいは学習履歴を分析し個人特性や集団の特性を明らかにしていくことが教育において新たな課題となろう。学習履歴のデータ収集法の一つに非反応測定法が用いられ、コンピュータ自体に情報を収集させることが可能である。これまで、キ-操作を収集して操作行為の実体を明らかにしてきているが、さらに研究を深化させるには、学習者の認知を明らかにしていく必要がある。 そこで,本研究はワードプロセッサ及びプログラムを学習している中学生の初心者を対象に状況の認知と処理過程を解明することを目的とした。本年度は、ワードプロセッサ活用時(課題文の入力、誤文の修正、他者のモニタリング)、プログラム作成時(作成、修正、他者のモニタリング)における状況認知と処理過程を明らかにする課題、データを作成し、データ収集を行った。 なお、本研究の状況の認知とは、Norman D.A.の7段階モデル(ゴールの形成、意図の形成、行為の詳細化、行為の実行、状況の知覚、状況の解釈、結果の評価)を援用したものである。状況の認知はコンピュータ操作の再現システムで操作を再現しインタビューで行い、収集したキ-データによって処理過程を分析する。分析は平成10年度に行う。 この研究は、コンピュータの操作過程に、使用者の認知を加え、システム対応時の多次元的な解明をめざしている。
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