研究概要 |
平成9年度は方法論の検討を中心課題にした。平成10年度以降の教授-学習実験で用いる実験システムの開発を以下の(1)から(4)の手続きに沿って実施した。 (1) 精神運動スキルの習得過程を検討する課題として,多くの利点を持つ一輪車走行スキルを課題として用いることにした。これまでの習得実験から得られたビデオカメラによる映像データをもとに,タスクアナリストを行い,(a)上体の傾き,(b)漕ぐスピード,(c)腰の動き,(d)前後・左右バランス,(e)フォークの傾き,がスキルを構成する下位行動目標であることを見いだした。 (2) 下位行動目標のうち,前後・左右バランス,フォークの傾き,漕ぐスピードを測定する機能を一輪車に持たせた。 (3) 購入備品であるPCカードレコーダを用いて学習者の身体情報を連続にモニターする無拘束計測(ambulatory monitoring)システムを開発した。 この成果については,研究代表者梅澤が平成9年10月にアメリカ合衆国ケープゴッドで開催された第37回米国精神生理学会で発表した。 (4) (2),(3)のデータを時系列を合わせて表示するソフトウェアを開発した。システムの概要については,研究分担者市原がバイオフィールドバック研究24巻に論文を投稿し,掲載された。 以上の方法論の整備により,平成10年度に予定している実験の準備は整ったことになる。
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