研究概要 |
本研究は,SCSを用いて多地点が参加する遠隔授業において授業に使用する教材や質疑応答・討議での発言内容などの教授学習情報とその交換法をいかに多様化して効果的な授業を構成するかを検討するものである。 SCSを用いて行う遠隔共同授業を50回以上実施し,その過程でSCSで送受信される映像音声情報と併用して教授学習情報を交換する方法について,インターネット利用と電話回線利用の2点から検討した。インターネット利用では,講師が講義資料や関連資料をホームページにアップし,それを参加各局が印刷して受講者が利用することを試みた。また,講師局に割り当てられていない電波で,そのホームページを送信し,2つのモニターで講師の顔と資料を提示する方法も試行した結果,講義内容の理解に良い影響があることが分かった。電話回線利用では,音声による授業応答のほか,学習者に配付の必要のある図表を含んだ説明資料やSCS送信画面では読み取りづらい資料をFAXで参加局(4局)に送信したり,参加局から講師への質問を送信するなどの利用方法を試みた。 多様化した情報交換を効果的に活用した授業の構成法および運営法については,講義主体型,演習主体型,講師局との質疑応答主体型,各参加局間での討論主体型などの授業のタイプごとに講師局・視聴局間および参加局同士が授業の過程で効果的なコミュニケーションを行う方法について検討を行った。 授業内容の理解を促進させる授業資料等の作成方法および提示方法については,書画カメラによる提示のほかSCSでの利用を想定したマルチメディア教材と,動画像を中心とする視聴覚教材の2点から,教材の作成方法と提示方法の検討を行った。 また,遠隔共同講義に適したSCS教室内のレイアウトや視聴覚機器の構成についても検討を行なった。
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