本研究は、学習者が学んだことや創造したことをWebページ(参画型ホームページ)にまとめ、学習成果の共有とともに、情報発信能力の育成をはかることをねらいとしている。本年度は初年度であるが、主な経過と得られた成果は以下の通りである。 1.ホームページ作成支援環境の構築 学習者がホームページを効果的に作成できるような情報環境(周辺機器、ソフトウエア)を整備した。とくに、画像入力機器としてのデジタルカメラおよびテキスト入力機器としての携帯情報ツールを新たに導入し、その有効性と問題点を明らかにした。そして、これらの携帯用機器の利用が、学習成果だけでなく、学習プロセスの記録・蓄積につながりやすいこともわかった。また、ホームページ作成のための簡易マニュアルを作成し、それを用いて指導し、気づいた点を改善している。 2.学習者参画型ホームページの作成法の検討 筆者が担当する教育工学関連授業や公開講座において、ホームページづくりの実践を行った。そのホームページ作品の内容は、「自己紹介」、「学校紹介」、「まちづくり支援」などである。これらの実践を通じて、テーマ設定のしかた(自由、統一テーマ、その中間)や、作成支援ソフトの利用の有無など、授業の様々な制約条件のもとで、学習者参画型ホームページの作成法を検討している。 3.学習者参画型ホームページの作成・活用による情報発信教育の具体的内容の検討 ホームページを用いて情報発信するうえでの留意点について整理した。また、これらのホームページ作成の実践を通じて学習者が習得すべき知識・技術・態度については、現在、研究中である。
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