本研究の基本目的は、青少年のコンピュータ等メディア利用に関する性差の実態を明らかにするとともに、女子のメディア使用を促進する教育プログラムを開発することである。 第一年目の本年度は、ゲームも含めたメディア利用の実態及び利用形態と性別の因果関係を明らかにする調査票を作成した。作成に当たっては、特に学校外でのメディアとの接触状況を明らかにするようにつとめた。これは、学校外での利用は、子どもの主体的選択による場合が多いから、性差等の影響が強く現れると予想されるからである。 調査票は、小学生用と中学生・高校生・大学生用の2種類を作成したが、両者は、表現等に相違はあるが、調査内容は基本的な同じである。 調査票は、「各教科の好き嫌い及び得意不得意の程度」「男性性・女性性を測定する項目」「将来の職業選択方向」「パソコンの使用水準と使用目的」「学校外にパソコン等メディア使用状況」「ゲーム使用状況と遊びの体験状況」「パソコン・ワープロの所有状況」などを調べる12項目から構成されている。回答は無記名で行われた。 調査は、平成10年1月から3月の間に行われたが、小学校(4年生以上)6校、中学校(主として、1・2年生)5校、高等学校(全学年)4校のデータが既に得られている。結果は分析中であるので、正確な有効回答者数は未定であるが、3000人以上の児童生徒の協力が得られた。 平成10年度には得られたデータの分析と、大学生等青年層の調査を行って、メディア使用の性差の実態を明らかにしたい。
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