コンピュータ利用に関する性差gender differencesの状況を分析して、できるだけ性差が少ない状況を実現するための、教育的働きかけを提案することが本研究の目的である。 平成9年度において調査票を作成し、小学生911名、中学生875名、高校生1504名(合計3290)を調査したが、本年度は、その中間的分析を行った。 情報機器の操作、あるいは情報リテラシーについて、男子が女子より高い水準にあるという一般的な信念が、我が国を含めて、世界的に認められている。しかし、特に小学生・中学生においては、性差は急激に縮小しており、女子が男子を上回る場面も少なくないことが明らかになったことが本研究の主要な結論といえよう。 1. パソコン等の利用率は、小学生・中学生において、ゲーム・勉強・絵や文字の作成・インターネットのどの場面でも、女子が男子を上回って多く利用している。特に、ワープロなどを利用する絵や文字の作成は、女子の利用率は男子よりはるかに多い。 2. 自分が所有している電子おもちゃ類を調べると、ファミコン及びポケット型ゲーム機は男子の所有率が高いが、ネームランドなどのレベルづくり機、たまごっちなどのペット育てゲーム、及び電子手帳の所有率は女子が男子を大きく上回っている。おもちゃとはいえ、女子中学生の電子手帳所有率は63%であるから、ビジネスマンより多いと思われる。 3. 一般にゲーム類は男子の所有率が高いが、それでもセーラームーンやぷよぷよなどのゲームソフトは女子の方が多く持っている。 なお、本年度は大学生433名を追加調査したので、来年度はその結果も含めて最終報告を提出する。
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