研究概要 |
平成9年度は,理科教育関連事項を,「社会・教育一般/初等科学教育/中等科学教育/科学教育一般/科学啓蒙・読み物/科学技術と専門教育」の6つの欄に分けた「日本理科教材史年表」を完成させるために,同時代史を含む1968〜1997年の「日本理科教材史同時代史年表」(1年見開き2ページ,7000文字)を試作し,その完成度を見積もり,各欄の記載方法を検討した。 (1)理科教育関連事項は,永田の理科教育史研究で収集した文献・事項を中心にして大枠を作成して,該当する年の『国会図書館蔵書目録』やブックページ刊行会編『ブックページ(本の年鑑)』などと対照して補足,「社会・教育一般」や「科学と専門教育」は,岩波書店編集部『近代日本総合年表』,朝日新聞社編『朝日年鑑』などで補足したものである。 (2)試作した年表の1980年〜1990年分の理科教育文献を,主な大学や学術情報センターの文献検索と対照して補足してみると,各年ともに,10%を大きく超えて補足できることはないことが分かった。つまり,同年表の理科教育文献の網羅度は,80〜90%に及ぶ可能性が大きいことが分かった。 (3)「科学教育一般」欄や「科学啓蒙・読み物」欄は,文献を網羅的にあげると,予定した欄を大幅に超えることが分かった。前者は150%,後者は220%にまで達する年が出る。そこで,当初計画した「記載方法を検討してできるだけ網羅する」のは不可能であることが判明。文献を取拾・選択する方法を検討中だが,各年の文字数をあげることも必要になるかもしれない。 (4)雑誌論文のピックアップは,理科教育史の同時代史研究が少ないために,一定した選択方法が確率できないことが分かった。時代を反映する特集のピックアップに変えた方が良いと判断するにいたった。
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