研究概要 |
回路図構成実験を通して,被験者のつまずく箇所と意味を明らかにし,児童・生徒が回路図を構成する際の一般化を図り,授業での指導法略の具体化をめざすことを目的としている。 そのため,今年度は予備実験として,研究組織で検討した回路図構成課題を大学生被験者に提示し,被験者は簡易電気製図CADを用いて回路図構成に取り組んだ。被験者の回路図構成過程RGBスキャンコンバータを介し,リアルタイムで8mmビデオテープに逐次録画した。録画テープの分析を通して,個々の被験者の電気回路図構成過程における思考,各被験者共通に認められる作業パターン及び被験者グループ間の差異等を求めた。 その結果,今年度の予備実験において,以下のことが明らかになった。 ・文科系VS理科系,あるいは男女間で,回路図構成に対する差異は見いだせなかった。 ・電気学習を好きな被験者は正答率に優れ,正答までに要した時間も短い。電気学習を嫌いな被験者は正答率,正答に要する時間の両面で劣っている。また,電気学習を好きでも嫌いでもない被験者は,正当に要する時間で劣っていることが明らかになった。 ・回路図は,スイッチ部を中心にして構成する傾向が強い。 ・一般に,コンピュータディスプレイ画面上で試行錯誤することによって正答を見出しやすい。 ・コンピュータ使用歴のある被験者は,CAD操作効率が優れている。 以上のような結果をもとに,次年度は中学生を対象にした研究を行う予定である。
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