研究概要 |
回路構成実験を通して,被験者のつまずく箇所と意味を明らかにし,児童・生徒が回路及び回路図を構成する際に,どのように回路及び回路図を一般化し,ルーチン化するかを明らかにする。その成果を元に,特に小学校理科と中学校技術・家庭科における電気学習時の指導方略を明確にすることをめざす。 本年度は,平成9,10年度の研究をまとめ,福井大学教育実践研究にその成果を報告した。すなわち,教員養成系大学生が回路構成CAD使用し課題を解決する過程において,理系対文系,パソコン使用経験の有無等の枠組みにおいて,興味ある結果を報告した。すなわち,被験者特性の違いによって正答率及び解答時間に差が生じること,被験者はスイッチ部を中心に回路構成を行い,ディスプレイ上で試行錯誤することによって正答に到達しやすいことがいえた。さらに,個々の被験者によって実験に対する構えが相当異なることが明らかになった。 また,中学生が回路図構成課題に取り組んだ際の,解答の誤り分析を行った。その結果,中学生は一般に電位差の概念を理解していないことに起因すると思われる幾つかの誤り(例えば,電源の短絡,負荷の配置ミス,開閉器の配置ミス等)のパターンが見受けられた。この結果の詳細については,現在分析途中であり,来年度中にまとめ,報告する予定である。
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