• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

数学教育における空間思考の育成についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 09680265
研究機関大阪教育大学

研究代表者

狭間 節子  大阪教育大学, 教育学部, 教授 (40030382)

研究分担者 橋本 是浩  大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (00030479)
キーワード数学教育 / 空間思考 / 心像の操作
研究概要

第1年次の予備調査の結果を踏まえ、第2年次は、大阪、広島、島根地区の公立小学校・中学校・高等学校の児童生徒(計約2000人)を対象に空間思考に関する本調査を行った。調査問題は、第1年次報告に記載の問題と一部を除いて同じである。
調査結果の分析と考察から、次のことが新たな知見として得られた。
(1) 空間思考の5段階とその特徴
第I段階(小学校1-3年).この段階は、調査問題の項目によって反応率に大きな振動がみられる。図による直観、一面的な視点、大きさより形に注目がいく結果と見られる。
第II段階(小学校4年).小4年では、ある問題に対しては第I段階の特徴を示し、他のある問題では独自の傾向を示し、別の問題では第III段階の傾向に近似している。
第III段階(小学校5-6年).正反応率は低いが、全体として、第IV-V段階の縮図である。この段階までに空間的思考の素地はできているといえる。
第IV(中学校1-3学年).第IV段階では、念頭での立体回転・変形、視点の変更、投影的見方に関する問題は、正反応率は7割止まりである。
第V段階(高等学校1-3学年).第V段階では第IV段階と比べて、正反応率が10ポイント以上高くなるものとほとんど変化しないものとに分かれる。
(2) 男女別反応
問題によって異なるが、男女差がはっきり現れるのは第III段階以降である。特にある種の問題では、第III段階での男女差の傾向が第V段階まで続き、V段階では15ポイント以上の差(M>F)が顕れた。
(3) 空間像とその操作の特性.
子どものメモ書きや面接から、課題解決において、児童生徒は次のどれかに分類できる。(1)図表示を用いる (2)文字・記号を用いる (3)図表示および文字・記号を用いる (4)何もかかない。(1)の図表示では、3次元図、2次元図、1次元図(線分の関係など)が用いられている。空間像とその操作が自由にできることは、(1),(2),(3)が課題に応じて使えること、および図表示における3次元図⇔2次元図⇔1次元図の間のきり換えが自由にできることが重要なポイントなることが判明した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 狭間節子・橋本是浩・田中正男: "空間思考に関する調査研究(1)-小・中・高校生を対象とした調査結果の概要と考察-" 第31回数学教育論文発表会論文集. 489-490 (1998)

  • [文献書誌] 井上正人・赤井利行・東尾晃世: "空間思考に関する調査研究(2)-小学生に対する調査結果の分析・考察-" 第31回数学教育論文発表会論文集. 491-492 (1998)

  • [文献書誌] 荊木聡・中西正治・吉武進・加波忠弘: "空間思考に関する調査研究(3)-中・高校生に対する調査結果の分析・考察-" 第31回数学教育論文発表会論文集. 493-494 (1998)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi