平成9年度から11年度の3年間における本研究の成果は、多くの論文(現在提出中のものを含めて5本、日本産業技術教育学会誌等)として社会に公表することができたが、その得られた知見は次のようにまとめられる。 (1)中学生、高校生のVDT作業による学習時における認知特性を質的に解明したが、それらは、大人とはかなり異なり、メディアに対する認知の慣れと教材の適応性が、大きく影響することが脳波測定の結果及び、認知実験から分析された。 (2)学習者のプログラミング能力にかかわる諸要因を他教科の学習成績と教科担当教師の評価、本人の自己認知判定とから分析し、学力の中では理数系の能力と深く関係するのは当然だがそれ以上に本人のやる気、学習への興味関心が深く関係することが大規模調査から分析された。 (3)中学生の学習認知特性と、高校生の学習認知特性がどのように異なるのかを、VDTに関する認知実験から分析、定量評価して、その認知特性の違いを質的なマップとして提示した。 (4)教授戦略として分類される各種教材知識の教授法を具体的教材知識との適合特性分析を行い、クラスター分析によるツリー構造として分析分類し質的な教授戦略の系統分析を行った。
|