研究課題/領域番号 |
09680271
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
高塚 成信 岡山大学, 教育学部, 助教授 (70132652)
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研究分担者 |
川村 珠巨 大阪府立工業高等専門学校, 一般教養科, 講師 (50280409)
小西 廣司 松山大学, 経済学部, 助教授 (30270044)
松畑 熙一 岡山大学, 教育学部, 教授 (60036895)
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キーワード | コミュニケーション方略 / 方略指導 / 言い換え |
研究概要 |
平成10年度の本研究の実績は次の2点である。 1 語彙的・文法的問題の回避・解決の手段としてのコミュニケーション方略について、従来主に研究の対象とされてきた、文中において問題となっている語彙を、その他の文の要素に影響を与えることなく回避・解決する‘local solution'に対して、文の他の要素との関係で、相対的に回避・解決する‘globalsolution'(語彙を超えたレベルでの言い換え)に目を向け、その手法と可能性を検討した。また、local/global両方の回避・解決の手法或いはパターンの指導のあり方として、教科書本文を色々なパターンで言い換える練習を、英語授業の不可欠な活動として含めることを提案するとともに、実際に教科書本文が様々に言い換え可能であることを示した。なお、これについては、全国英語教育学会(松山大学)において、「コミュニケーション方略としての『言い換え』-その指導内容と方法に関する基礎的研究-」と題した研究発表を行った。 2 語彙を超えたレベルでの言い換えの典型例として、文の主語を換えるという操作による言い換えの可能性を探るために、英英辞典の言い換え文のうち、主語を換えるという操作によるものを抽出し、分析した。分析の視点は、(1)元の文の主語と言い換え文の主語との関係、(2)元の文の要素と言い換え文の主語との関係、(3)主語以外の元の文の要素と言い換え文の要素との関係、であった。分析の結果、語彙を超えたレベルでの言い換えの手法の一つである、主語を換えるという操作は、関連語の使用という言語形式上の操作を伴っていることが多いことが判明し、語彙レベルでの解決のための言語形式の操作(例:上位語の使用)とは異なっている可能性が明らかになった。なお、これについては、中国地区英語教育学会(鳥取大学)において、「語彙を超えたレベルでの言い換え-『主語を換える』という操作による言い換えを中心として」と題した研究発表を行った。
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