研究概要 |
昨年9月30日,東海村においてJCO臨界事故が起こり世界的にも大きな衝撃を与えた。この件でも明らかになったようにほとんどの住民は何が起こり,どのように危険から身を避け,行動すべきか全く知識がなく,判断もできず,行政の側を含め大きな混乱が起こりと将来に不安が残った。21世紀のエネルギー・環境問題にきちんと対処していく上で原子力分野についての教育の重要性があらためて浮き彫りになった。 本年度の研究実績については以下にまとめられる。 (1)通常市販されている高感度フィルムを放射能・放射線検出の教材に容易に応用できることを明らかにできた。土壌に穴を掘りフィルムを遮光して露出させて置くと,その中でウラン含有鉱物からのラドン,トロンがフィルムに付着し、放射線(β線)による感光が生じることが確認された。小中学校生で身じかな土と環境放射線との関係について分かりやすく学べる教材として利用できると考えられる。 (2)全国規模での生徒・学生を対象とした「エネルギー・原子力に関するアンケート調査」を実施して,「原子力・放射能・放射線等」の概念についての意識と知識を詳しく調べることができた。これらの結果は「原子力・放射能・放射線等についての中学生から大学生にまたがる意識変化とマスコミの影響」と「原子力・放射能・放射線等についての徳島・福井(敦賀)の中学生・高校生の意識・知識の違い」等に分けて現在分析中であり,近く学会誌に投稿していく予定である。
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