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1998 年度 実績報告書

FFT解析による歌唱表現の評価に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09680275
研究機関愛媛大学

研究代表者

田邉 隆  愛媛大学, 教育学部, 教授 (80155192)

キーワード表現 / 歌唱 / 熟達 / 評価 / スペクトラム / FFT / 音声分析 / 主成分分析
研究概要

音楽表現に関する評価は,客観化が極めて困難である。しかし歌唱表現された音声サンプルをFFT解析及び多変量解析(特に主成分分析)することにより,音楽表現の評価について,より客観的な評価が可能となった。
本研究では,従来から成人女子の音声について行った基礎データに加え,カウンターテナーと児童(小学校3〜4年生男女)の音声を解析している。これら三種類の音声は,声種が異なるにもかかわらず,発声される音高(声域)が極めて類似するため,比較対象として最適であると考える。また,三種類の音声比較は,声種の異なる音声間の共通した表現の特徴を見いだし,児童から成人に至る表現の変化について,推論できるばかりでなく,各々独自の特徴についても,より際だって整理できる利点がある。特に本研究では,従来の研究で得た解析方法に基づき,歌唱者自身が巧拙を自覚した表現について焦点づけて研究を行った。
その結果「巧」なる表現について,歌唱者である児童は各人各様の中で限定された視点(1〜2点の視点)で表現している。それに対し,熟練者(指導者)の評価は,様々な観点から総合的に聴き判断を行っている。音声分析した「波形データ」は,音声を総合的に捉えたデータであると見ることができるが,この意味で熟練者の判断と波形分析結果は一致する傾向にあった。この一致傾向を根拠として,限定条件ながら,音声評価の客観化が可能であると考えた。
一方,児童の歌唱表現については,教師による巧拙の評価とともに,児童自身による巧拙の評価に基づいた歌唱表現の検討が,学習支援の視点から求められている。個人内評価で,「拙なる表現」も,他者の「巧なる表現」より相対的に上回る評価を得る場合が存在した。この事実から,音声分析の研究の視点から、音楽科教育における歌唱表現の支援のあり方について,一つの問題提起ができた。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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