継続研究の第一年目にあたる本年度は、資料の収集と整理、データ入力を中心とした研究活動を行った。 研究主題となる占領政策期、社会科成立期における歴史教育の類型化に必要な基礎データを収集するため、本年度は、本件研究主題に関連する資料を豊富に所属していると思われる、国会図書館、国立教育研究所、京都大学、広島大学、九州大学に出張し、それぞれの所属資料の関連項目を調節した。 今回は、とりわけ、敗戦直後の教科書作成作業や雑誌等に発表された歴史教育論に絞って収集、複写、整理し、パソコンデータとして入力した。 パソコンソフトは、当初「桐」を考えていたが、ウインドウズ95対応ソフトであることが望ましいことから、「DBプロ」を使ってデータベースを作成することにした。 本年度は、時間の制限もあり、各研究機関に所属されていす関連資料のうち、敗戦直後のものに絞って収集することしかできなかった。次年度以降は、1947年から1950年にかけて、歴史教育の各類型が、それぞれの立場を鮮明にしながら検定教科書へと結実させていく過程、およびその教科書内容についても、資料収集、整理、データ入力を進めながら、さらに研究を深めていきたいと考えている。 また、本年度の研究過程で整理した成果は、1997年9月の日本社会科教育学会(宮城教育大学)、同10月の全国社会科教育学会で報告し、1998年3月刊行の鹿児島大学教育がくぶ研究紀要に論文として掲載した。
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