継続研究の第二年目にあたる本年度は、第一年目に続く資料の収集と整理、データ入力を中心とした研究活動を行った。前年度に、敗戦直後のものに絞って収集したことに加え、1947年〜1949年にかけての、歴史教育の類型化に必要な史・資料を収集するため、国会図書館、国立教育研究所、京都大学、立命館大学、広島大学、九州大学等に出張し、それぞれの所蔵資料を調査、収集、複写した。 本年度は、1947年から1949年にかけて、歴史教育の各類型が検定教科書へと結実させていく前段階、中等国史教科書編纂委員会による「英文原稿」の詳細な訳出とデータ化を中心に研究を行った。 この「英文原稿」については、これまでも他の『日本の成長』(和歌森太郎)や『日本の歴史』(歴研・民科歴史部会)との対照的考察を加えた論考を発表してきたが、今回は、「英文原稿」そのものについて、社会科教育史、社会科的内容、歴史記述内容、の諸点から、本格的に考察することができた。 データは、「一太郎8」でテキスト化し、「DBプロ3.2」に整理しているが、ウィンドウズ98対応ソフトへのバージョンアップを計画している。 本年度の研究過程で整理した成果は、1999年3月刊行の『戦後教育史研究』第12号(明星大学戦後史研究センター)に論文として、1999年3月刊行の『戦後教育 の総合評価』(図書刊行会)に所収論文として掲載した。 最終年度である1999年度は、1950年前後の第一期検定歴史教科書の登場に焦点をあてた作業を行う予定である。
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