第一年目の平成9年度は、研究主題である占領政策期、社会科成立期における歴史教育の類型化に必要な基礎データを収集するため、各研究機関に出向いて所蔵資料の関連項目を調査しし、敗戦直後の教科書作成作業や雑誌等に発表された歴史教育論に絞って収集、複写、整理し、パソコンデータとてしてデータソフト「DBプロ」に整理した。 第二年目の平成10年度は、前年度に加えて、1947年〜1949年にかけての、歴史教育の類型化に必要な史・資料を収集しつつ、歴史教育の各類型が検定教科書へと結実させていく前段階、中等国史教科書編纂委員会による「英文原稿」の詳細な訳出とデータ化を中心に行った。 平成11年度は、これまでの研究をふまえ、三つの成果を得ることができた。 まず第一に、これまで収集・整理したデータをデータソフトに入力する作業を終えた。第二に、中等国史教科書編纂委員会の委員かが作成にかかわった検定日本史教科書を個々に分析し、戦後歴史教科書の典型的記述の初発時点での特徴を整理した。第三に、これまで未検討であった「文部省著作教科書」について総括的な比較分析を行った。 これらの成果は、その都度全国学会で報告し、全国学会誌や大学紀要に発表した。(発表論文名は本書類に記載)
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