研究概要 |
「戦後沖縄の数学教育実践に関する実証的研究」のために、沖縄本島内における資料収集を継続しながら、奄美群島下の状況に関する調査を中心に行った。また、戦後沖縄の教育状況の特徴を明らかにするために比較資料の収集を行った。具体的には、沖縄とは対照的な地域として長野県を選び、比較資料の収集を行った。本研究では、他地域の教育実践関係資料のデータベース化は行う予定はないが、戦後沖縄の教育実践状況を分析するときに利用していきたい。 沖縄本島内における資料収集では、城前小学校などの学校沿革誌などの資料収集をおこなった。そして、これまでに収集した資料とともにデータベース化をすすめている。 奄美群島下の状況に関する調査では、当時の教育関係者からの聞き取り調査を行うとともに、関係資料の収集を行った。そして、それらから得られた情報の裏づけ調査を行った。その結果、沖縄本島地域や宮古・八重山地域と同様に米軍群島政府下におかれた奄美群島において、昭和21年の文部省著作「暫定教科書/折りたたみ教科書」が持ち込まれていたのを確認した。また、手書きで教科書を写し取り、糸を通して製本し使用した「教科書」が昭和22年の「国定教科書」であったことも確認した。 敗戦直後の様子、学校教育が再開される様子、および、教科書などの充足状況を含むその当時の教育実践の様子については、本研究の成果として、その一部を以下のタイトルで発表した。 「戦後沖縄数学教育実践史研究ノート」(『新しい算数・数学教育の実践をめざして』東洋館出版社1999年3月,pp-305〜314)
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