研究概要 |
平成12年度は、以下の計画及び方法で研究を行った。 (1)ハイパーカードに加え、それ以外の教材開発ソフトの可能性を求めて、エクセルやネットスケープ・コミュニケーター、その他の検討を行った。特に、汎用性を拡大することを念頭にOSを問わずに利用可能なソフトとそのソフトがもつハイパーリンク機能を活用して、メディア・ミックス的教材を開発する方途を探った。同時に、動画や3Dの画像を取り扱うことなどを検討した。 (2)アメリカやフランスで開発されている、社会系教科の教科書、教師用指導書、ワークブック、フィルムストリップ、カセットテープ、CD、ゲーム、データベースなどからなる教材セットを購入し、その内容構成原理、教材・教具それぞれの役割と相互の連関、組み合わせ方といった方法及び技術、また、教科、科目、単元といったカリキュラムや授業レベルでのメディア構成を検討した。 (3)具体的な教材ソフトのテーマを「室町時代の人々の一年」とし、関連する室町時代の村落とその生活について、特に年中行事などについて、和泉国入山田村、播磨国鵤荘など具体的ないくつかの地域について、最近の歴史学及び民族学の研究成果に当たり、内容として構成する以前のイメージ作りに努めた。開発されるであろう教材を用いた学習では、生徒は、あたかもタイム・マシンを用いたかのように、室町時代のある村に入り込み、その村で春夏秋冬をその人々とともに過ごしながら、当時の人々の生活について現代日本の生活様式につながる原形として理解するとともに、今日の常識とは異なるような生活慣行や法などについては「異文化」として理解する手がかりを得させようと構想している。 (4)総じて、本年度は、過去4年間の研究の総括を行い、今後第3,第4の教材開発への方向を探った。
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