研究課題/領域番号 |
09680293
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教科教育
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研究機関 | 東京工業高等専門学校 |
研究代表者 |
佐藤 義隆 東京工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (30099791)
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研究分担者 |
梅野 善雄 一関工業高等専門学校, 一般科目, 助教授 (30042211)
松田 重生 富山工業高等専門学校, 一般科目, 助教授 (70089019)
阿蘇 和寿 石川工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (80110154)
高村 潔 宮城工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (30100754)
豊成 敏隆 東京都立航空工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (20217582)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 材料力学用数学 / 流体力学用数学 / 電磁気学用数学 / 符号理論用数学 / 熱力学用数学 |
研究概要 |
工業高等専門学校において数学を教授するにあたっては、工学系の各専門分野で、どんな数学がどの程度まで必要とされているかを調べることは必要なことと考える。特に近年の学生気質の変化や基礎学力の低下を考えるとき、数学の授業でも専門への橋渡しを強く意識して行わなければならないと考える。その様な趣旨に基づいて、平成9、10の2ヶ年間、「工学系に必要とされる数学に関する調査研究」として、材料力学分野、流体力学分野、電磁気学分野、(情報系)符号理論分野の各分野についてそれぞれ調査研究を行った。調査研究の主な方法は、大学工学部または修士課程で使用されている当該分野での定評ある専門書を、数学教師という立場から分析し、「その分野を学ぶのにどのような数学が必要か」を調べることである。高専用教科書を使用しなかったのは、高いレベルの到達点を調べた方が、数学教師にとっては有用と考えたからである。 この調査結果により、各分野に必要とされている数学について、その間に大きな偏りがあることを明らかにすることができた。従来の数学の授業は、どの専門学科に対してもほぼ同じ内容の授業を行っているが、この調査結果により学科に応じた数学の内容について、あるいは教授項目で強調しなければならないこと、また省いたり簡単に済ませて良いところなどを、それぞれの専門分野に応じて明らかにすることができた。さらに、専門書の分析過程から数学の授業・演習に取り入れられる工学の例題や技法、用語なども多く収穫された。 これらの調査研究結果は、それぞれが論文としてまとめられ発表され、学科においても発表され、さらに電磁気学および符号理論分野については、数学教師の目で見た「その分野を学ぶためのテキスト」を冊子として出版した。本調査研究は、工業高専での数学の教授の立場から調査したが、大学工学部においても高専と同様な状況にあることを考えるとき、本調査研究の結果は高専のみならず工学系大学等での数学の授業についても、大変参考になる結果であると考える。
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