研究課題/領域番号 |
09680306
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | (財)言語文化研究所 |
研究代表者 |
長沼 守人 (財)言語文化研究所, 理事長 (10260118)
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研究分担者 |
阪田 雪子 杏林大学, 外国語学部, 客員教授 (80014413)
関 正昭 鹿児島女子大学, 文学部, 教授 (20138663)
高見澤 孟 昭和女子大学, 文学部, 教授 (20245913)
木村 宗男 (財)言語文化研究所, 研究員 (60062999)
山下 秀雄 (財)言語文化研究所, 理事, 第一研究部長 (40142062)
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キーワード | 戦時下米陸海軍日本語学校 / ナガヌマテキスト原本と海賊版 / 長沼直兄と米大使館 / 文部省と国語対策協議会 / 日本語教育振興会(1941-45) / 同語彙調査(25万語) / 国際学友会と言語文化研究所 / 長沼直兄とH.E.パ-マ- |
研究概要 |
1.第二次大戦下、米国陸海軍が大々的に採用した長沼直兄の最初の『標準日本語読本』巻一〜七(1931-34)の原本(初版・再版)11冊と海賊版4種19冊との比較研究と、各種関連文書に研究により次の諸点が判明。 (1)史実としては知られていたが、未知であったこの幻の書の掘り起こしにより、戦後の改訂版(1948-50)との関連と相違点、とくに巻一における基本構想、文の配置等にみられる特徴、授業上の扱いについて。 (2)長沼直兄の米大使館日本語教官就任は、大正12年10月と公表されてきたが、客観資料との対照により13年12月ごろと判明。また、奥付の年月日に誤謬のある教科書類(再版を初版の如く記載)を4種以上発見。 (3)米大使館における同教科書貸与者リスト(各巻別:114名〜97名)発見によって、長沼の教え子たちが米国戦時日本語学校の首脳となり、テーラー大将ら多数が進駐軍の中枢となったという史実が立証された。 2.米国での調査により、カリフォルニア、ミネソタ等における戦時下日本語教育の状況の一部が明らかになった。米国国防省外国語学校歴史官J.C.マクノートンの1941-42年の言語教育に関する証言も得られた。 3.長沼直兄の日本語教育と、H.E.パ-マ-の英語教育との関連性、相違点点-教授法・教科書・文法等。 4.日中戦争下、長沼直兄と、外務省・文部省、及び西尾実・松宮彌平・山口喜一郎・大出正篤らとの関係。国語対策協議会→日本語教育振興会の諸問題、国策と教科書作成者と現地とをめぐる矛盾と葛藤。 5.国際学友会と言語文化研究所という二つの系譜における、戦前・戦後を結ぶ流れと、その異同、交流。 6.戦時下、日本語教育振興会作成の語彙調査カード一式は、国立国語研究所より貸与許可となり、半世紀を経て研究継続が実現した。雑誌『日本語』に報告された15万語の研究成果確認と、25万語カード研究に着手。
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