研究課題/領域番号 |
09680309
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
統計科学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
齋藤 堯幸 東京工業大学, 社会理工学研究科, 教授 (70113561)
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研究分担者 |
河合 眞 昭和大学, 医学部, 講師 (30138474)
行広 隆次 京都学園大学, 人間文化学部, 講師 (60240628)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 特別養護老人ホーム / 痴呆老人病棟 / 日常生活動作 / 日常生活行動 / 生活の質 / 計量化 / 多変量解析 / 高齢者 |
研究概要 |
日本で高齢者(65歳以上)が全人口に占める割合は、1999年9月現在で約17%である。急速に社会の高齢化が進む現在、高齢者の生活の質(Quality of Life: QOL)を保ち、あるいは向上させることは、重要な課題である。高齢者の中でも、特別養護老人ホームの入所者や痴呆老人病棟の患者は、とくに自立が不可能または困難な人々であり、在宅の高齢者よりも、そのQOLの維持ないし向上の課題が先鋭的に現れる。この人々のQOLの研究は、高齢者のQOLを研究する典型的な課題である。本研究では臨床データの解析に基づいて、その課題を実証的に研究した。前段階では、特別養護老人ホームの入所者を対象とした基礎研究をした。後段階では、痴呆老人病棟の入院患者を対象とした。 QOLを総合的に把握するために、密接に連関すると考えられる19項目からなる三群の測定項目を設計した。第一群はQOLに関する9項目、第ニ群はADL(日常生活動作)に関する9項目、第三群は知的機能水準(痴呆の尺度 HDS-R)を測る一項目である。この項目群を用いて、臨床データの収集をした。データに多変量解析を適用し、19項目の空間構造とクラスター構造を導出した。その結果を統計学的に検討し、医学的に意味づけることにより、測定項目全体の連関構造を計量化し、新たな知見を得た。それに基づいて、QOLの総合化指標を構築した。 この指標は、痴呆患者のQOLを総合的に評定するほかに、病棟(施設)の介護の負担度を評定したり、医学上の研究に有用と考えられる。なおQOL測定に関連して、治療的働きかけ(音楽療法など)の効果を計量的に検討し、有用な知見を得た。最後に研究全体の知見の意義、限定性、研究方法の妥当性などを検討した。
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