研究概要 |
本研究では,分散環境における構造化データ,半構造化データ,非構造化データを含む異種情報資源の動的統合利用のための,データモデル,データ処理機構,情報探索機構,一貫性維持機構等の解析を行う.具体的には,1)異種情報を統合的に表現可能であると同時にその間の動的な相互変換をサポートするデータモデルと演算子の定式化,2)分散型アーキテクチャにおけるメディエータ,ラッパ,情報資源等の相互連携方式の開発,3)各種情報資源に対する探索インタフェースとエージェントの概念に基づく探索対象情報資源選択方式の検討,に関して研究を進めている.統合対象の情報資源としては,リレーショナルDB,SGML文書リポジトリ,WWWデータを取り上げている.今年度の研究実績は以下の通り. (1) 平成9年度に開発した,SGML文書レボジトリとリレーショナルDBの動的統合利用プロトタイプシステムを拡充し,XML文書を対象としたWWWとの連携を可能とした. (2) エージェント指向の概念に基づく情報資源の探索方式について,平成9年度の実験結果をふまえた本格的検討を行い,HORB及びJava Servletを用いた探索方式の開発とその性能評価実験を行った.. (3) 異種情報資源の動的統合利用を可能とするための視覚的ユーザインタフェースについてプロトタイプシステム実装を行った. (4) リレーショナルDB,SGML文書リポジトリ,WWWデータに加えて,動画像DBを連携利用可能とするためのプロトタイプシステムの拡張を行った. (5) これまでに開発して各種概念を融合した,分散オブジェジェクト環境下で稼働オるプロトタイプシステムの実現を推進した.
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