研究概要 |
計算機技術とネットワーク技術の発展に伴い,ネットワーク上に存在する各種情報資源の統合利用が重要な課題となっている.本研究では,分散環境における異種情報資源の動的統合利用のための,データモデル,データ処理機構,情報探索機構等の解析を行った.具体的には,1)異種情報を統合的に表現可能であると同時にその間の動的な相互変換をサポートするデータモデルと演算子の定式化,2)分散型アーキテクチャにおけるメディエータ,ラッパー,情報資源等の相互連携方式の開発,3)各種情報資源に対する探索インタフェースとエージェントの概念に基づく情報資源問合せ方式の検討,等に関して研究を進めた.統合対象の情報資源としては,リレーショナルDB,XML文書リポジトリ,WWW,動画像DBを取り上げた.具体的な研究成果は以下の通り. 1.リレーショナルDB,XML文書リポジトリ,WWWの動的統合を可能とする新しいデータモデルを開発し,それをサポートするメディエータ,ラッパーを用いた分散開放型問合せ処理アーキテクチャの構築を行った. 2.上記1.のアーキテクチャに基づくプロトタイプシステムInfoWeaverの設計および開発を行った. 3.エージェント指向の概念に基づくWWW情報資源の探索方式を開発し,性能評価実験によりその有効性の確認を行った. 4.異種情報資源の動的統合利用を可能とするための視覚的ユーザインタフェースの開発を行い,Infoweaver上でそれを実現した. 5.リレーショナルDB,XML文書リポジトリ,WWWデータに加えて,動画像DBを連携利用可能とするための統合方式を開発した. 6.異種情報資源統合利用環境におけるマルチメディアWWWビュー構成方式および支援ツールの開発を行った. 7.ECAルールを用いて情報配信サービスを利用可能とする異種情報資源統合利用システムを開発した. 8.XML構造化文書情報資源に対する拡張可能問合せ言語を開発した. 9.問合せ以外の情報資源統合利用方式について検討を行った.
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