研究概要 |
1. パターンに基づくプログラム実行の視覚化を行うビジュアルトレーサを設計し,一部実装した。このビジュアルトレーサでは、ビジュアルなパターンに視覚化のための意味情報を付け加え、この情報を利用して実行過程のアニメーション表示を行う。ビジュアルなパターンとしては、シーケンス、木構造、メッシュ、リングなどを用意することを考察し、一部実装した。特徴としては、設計者が与えた静的なレイアウト情報(ビジュアルパターン)とランタイムシステムが取得した動的な情報(実行時のトレース情報)を組み合わせて,レイアウト予測およびレイアウト候補の提示を行うという点である。 2. 汎用パターンライブラリの設計と作成を目指し、一部を試作した。具体的には、木構造探索のフレームワークを試作した。これは、終了判定、負荷分散、多重化、マスターワーカーなどの処理で利用することができる汎用的なものである。また、今後実際に並列および分散処理系で効率的に実行できるように実装する。 3. 複数焦点ズーミングインタフェース構築用ライブラリを開発し、試験的なアプリケーションを作成した。複数焦点ズーミングインタフェースとは、ある広い領域に多くの図や絵などが配置されている状態をある限られた大きさのウインドウ内に表示するために、いくつかの注目点(焦点)を拡大表示、他の部分を縮小表示することのできるインターフェースである。この方法で全体の図の配置というコンテキストを提示しつつ、注目したい部分を十分な大きさで表示することができる。今後このライブラリを用いてパターンの定義および利用のためのユーザインタフェースを作成し、大きなパターンの定義、多数のパターンの同時利用などに対応したい。
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