研究概要 |
今年度の成果は大きく以下の2点に集約される: (1)平成7年度に試験的に実装した先行システムC^2IMAをベースにして,個々の目的に叶った幅広い可視化技法を選択する専門家のヒューリスティックスと,各々の技法に対応した可視化ネットワーク事例とを組み合わせた知識ベースを,商用データベース管理システムSybaseを用いて構築し,商用データフロー型システムAVSとの連動により,ユーザの要求に合致した可視化環境を対話的に提供できるような次世代の可視化支援システムのプロトタイプGADGET(G__-oal-oriented A__-pplication D__-esign G__-uidance for modular visualization E__-nvironmenT__-s)を開発した.C^2IMAと比較し,検索可能な可視化技法とその事例数を増加させても,効果的な可視化支援が可能であることを実証した.本成果は,可視化分野における最高峰の国際会議であるIEEE Visualization'97に競争率4倍の中採択され,さらに上位数編のselected paperにも選出された.同内容の一部は,3D画像コンファレンスと3年間隔で開催されているDagstuhl Seminar on Scientific Visualization(ドイツ,6月)の招待講演でも紹介し,また日経サイエンス誌の可視化特集にも掲載される予定である. (2)より柔軟な情報発掘機能をGADGET上に実現する目的で,マルチメディアデータベースへの問合せにおけるメディア固有の特徴抽出処理やパラメータ設定を対話的に行えるような問合せ関数の設計支援システムを新たに設計し,無償提供されているデータベース管理システムPostgreSQLとデータフロー型可視化システムAdvanced Khorosを用いてプロトタイプ開発を行った.この成果は,電子情報通信学会DEWS'98に採録されている. 次年度は,成果(2)で得られた設計技術を利用して,成果(1)で開発したGADGETの機能拡充を実施する予定である.
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