研究概要 |
本年度は,以下の事を行った. 1.事象関連脳電位(ERP)検出アルゴリズムの開発 正中中心部(Cz)・正中頭頂部(Pz)を2ms間隔でサンプリングし,以下の手順でERPを検出する.(1)中心周波数4Hzのバンドパスフィルタ処理,(2)約10回のアベレ-ジング処理,(3)全平均波形の減算,(4)台形時間窓による波形の切り出し,(5)波形のピークの高さと面積値を用いたスコア方式による判定. 2.項目の提示方法の検討 25の単語を5×5のマトリクスに配置し,行と列をランダムに提示する.一度に提示できる被選択項目は25であるが,それぞれの項目にそれに関連する項目群を階層的に繋げることで,必要なだけの項目を増やすことが可能である.この提示方法により,短い計測時間で数多くの質問項目を提示でき,P300も有効に検出できることがわかった. また,表示時間は300〜400ms,提示周期は500〜700msがよいことが実験で確かめられた. 3.臨床用脳波測定・解析装置の設計と製作 4.臨床用脳波測定・解析装置のソフトウェア製作 次のような臨床用脳波測定・解析装置を製作し,駆動するためのソフトウェアを製作した.(1)表示画面に被選択項目を視覚刺激として提示し,応答波を脳波計で測定する.(2)脳波計には日本電気三栄のMULTI TELEMETER511を使用する.(3)脳波(EEG)2ch,眼電位(EOG)の計3chを同時測定する.(4)データは送信機からデータ処理装置に繋がった受信機へ無線で送られる.(5)データ処理装置はA/D変換器により2msecごとにサンプリングを行い,取り込んだデータを処理し,ERPを検出する.
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