研究概要 |
本年度は,以下の事を行った. 1. 臨床実験 実際のALS患者にお願いして,製作したシステムの試用実験を行なった.大学の研究室とは異なり,ノイズが大きくて,脳波の測定が必ずしもうまくいかなかった.電極等,測定系の改良が望まれる. このとき,看護しておられる方から,「将来的には多数の単語を選んでコミュニケーションすることが望まれるが,YES/NO(はい/いいえ)だけでもよいから,意志伝達のできるシステムを大至急開発してほしい」と切望された. 2. 項目の提示方法の再検討 被選択項目数を2〜20,一単語ずつの提示による選択実験を行ない,再度,少ない項目数での提示方法の検討を行なった. YES/NOの2項目での選択実験では,誤判定が多く,実用化は困難であることがわかった.また,10〜20と選択項目が多くなっても,同様に誤判定が多くなった.5項目のときが最もよい結果が得られた. したがって,最少選択項目として,「はい」「いいえ」に3項目加えて,5項目とすることが望ましいことがわかった.また,提示間隔は平均500msがよいことが実験で確認された.
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