研究概要 |
本研究は,テキスト圧縮に基づいた高速パターン照合アルゴリズムの開発を目的とし,この観点から,従来のテキスト圧縮法の最評価と新しい圧縮法の開発を行うものである.本年度は,以下の研究成果を得て,2年間にわたる本研究を成功裡に完了した. (1) 文字単位の圧縮法に関しては,ハフマン符号に対するパターン照合機械の効率的実現法を開発し,理論と実用の両面からその効率を評価した. (2) 文字列単位の圧縮法に関しては,LZW法,BPE法,禁止語辞書法という3つの圧縮法を取り上げ,これらを統一的枠組みで扱うことにより,KMP法の効率的な模倣が可能であることを示し,その効率を理論と実用の両面から評価した. (3) 上記の3つの圧縮法に対し,実用的に最も高速であるShift-And法の模倣を行う手法を開発し,これについても効率の評価を行い,その高速性を確認した. (4) 上記(1)(2)(3)の手法は,いずれも計算機上に実現したが,特に,(3)で述べたLZ圧縮テキストのためのパターン照合アルゴリズムについては,非常に高速であることから,一般の使用に供するため,UNIX版のソフトウェアを作成し,Web上で公開した.
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