研究概要 |
実物の測定によって得られた座標データにもとづいて形状モデルを生成するためのアルゴリズムの開発と検討を行なった.とくに,物体の特徴を検出するアルゴリズムに関して,以下のような成果を得ている. 物体が回転対称であると考えられる場合に,その回転対称軸を自動的に検出するアルゴリズムを開発した.その概要は下記の通り.測定点の重心を原点とする直交座標系の3平面に測定点を投影し,各平面上で極座標に変換する.次に,各平面上で一定の刻みで軸を回転させ,測定点の凸包を利用してその平面上での対称軸を求める.最後に3平面上で求めた対称軸から,物体の3次元での回転対称軸を決定する.この成果は,第8回ICECGDG(International Conference on Engineering Computer Graphics and Descriptive Geometry)で発表することが決定している. また,物体が面対称であると考えられる場合について,その対称面を自動的に検出するアルゴリズムを開発した.その概要は下記の通り.測定点から求めた重心を通る平面を回転させて物体の切断面の面積を求める.このとき,平面が対称面であるときに,切断面の面積が極値をとる.そこで,重心を通る平面を2つ自由度のまわりに一定の刻みで回転させ,得られた切断面の面積から,それが極値をとる方向を双1次内挿によって求める.この成果は情報処理学会グラフィクスとCADシンポジウムで発表する予定である. 今後は,上記2つのアルゴリズムをさらに多くの形状に適用してその有効性を確認し,アルゴリズムの安定性を高める予定である.,また,こうした対称性を近似的にしか持たないような物体に対する,われわれのアルゴリズムの有効性も検討する.
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