97年度における研究実績は次のようにまとめられる。 (a)多重降下競合学習と自己組織化特徴マップ 多重降下競合学習アルゴリズムがソフトウェアのレベルに至るまで完成した。これにより、2次元静止画像の情報圧縮とグループ化特徴マップ生成の同時実行が可能となった。 (b)グループ化特徴マップの対話的制御と利用 グループ化特徴マップの頂点を固定したり、逆に強制移動させたりすることにより、外部知性がこの特徴マップを対話的に変形することを可能にした。 (c)事例の作成 グループ化特徴マップの変形法を2次元静止画像に適用し、情報圧縮と仮想的静止画像の生成を行った。また、この過程を静止画の連続として実現し、これを時間表示することにより仮想的動画像(virtual movie)を実現することができた。 (d)グループ化特徴マップへの属性情報の付加 これは次年度へ向けての研究項目である。自己組織化によるグループ化特徴マップは元々のパターンを反映したものとなっているが、外部知性がこのマップを高度に利用するためには各部分の属性情報を与えることが必要である。今年度においては、この属性情報を標準的なCADフォーマットに埋め込む方法を実現した。本項目は、最終的には次の項目と結合されるものとなっている。 (e)3次元処理への拡張 これも次年度での完成を目指している項目であるが、すでに着手を始めている。2次元画像と3次元画像とでは、その表現力は文字どうり次元が違う。今のところ、2次元画像から得られたグループ化特徴マップに、既存のz軸座標を与えることを行っている。これにより、3次元画像としての表現が可能になっている。
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