研究概要 |
平成9年度には、テクスチャ情報をウェーブレット変換係数からから抽出する方式を開発し、与えられた画像を、いくつかの基本的なテクスチャ領域へ分解する技術の基礎を確立した。本年度は以下のことを行なった. ウェーブレット分解係数のレベル間および局所領域の相関関係を用いて,解像度の差異に対して頑健なテクスチャ特微量を提案した.具体的には,ウェーブレット分解空間の階層間の構造を4分木で表わし,同じ親を持つ子ノードの間の相関関係からテクスチャ特微量を定義した.このテクスチャ特微量により,テクスチャ領域分割,テクスチャ検索を統合的に行えるようになった. 頑健性を評価するために,51種類の布生地を10段階の解像度で撮影したテクスチャ画像510枚のテクスチャライブラリを作製し,検索実験を行った.ライブラリ内の画像データを質問画像とする実験で,同じ布生地から撮影された画像を候補画像として出力できた.実験の結果から頑健性を確認できた. テクスチャ検索を行う場合,検索するには,複数の異なったテクスチャ画像から質問者の意図する画像を質問画像として新たに合成する機能が必須である.我々は複数のテクスチャ画像のウェーブレット分解係数を入れ換えたり、4則演算その他の変換を施することにより新しいテクスチャ生成するテクスチャ合成手法を開発した.合成した新しい画像のテクスチャ特微量がテクスチャ特微量空間上のどこに写像されているかを調べ、“自然なテクスチャ"を合成しているかどうかの評価を行った.
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