研究概要 |
画像内容に基づく類似画像検索システムを有効に利用するためには,利用者の意図を適切に反映した問い合わせ画像を生成する機能が重要であると考察し、以下の研究を行った。 1.テクスチャ領域分割のためのウェーブレット変換を用いた特徴量を提案した。提案した特徴量を国立歴史民俗博物館の歴史民俗画像データに対してテクスチャ領域分割を行った結果、良好な領域分割が得られた。 2.テクスチャパターン特徴量を求める過程で得られる量から、テクスチャによる類似画像検索のためのウェーブレット変換を用いた特徴量を定義した。人工画像(180枚)に対して類似画像検索の実験を行った結果、良好な結果が得られた。 3.ウェーブレット分解係数のレベル間および局所領域の相関関係を用いて、解像度の差異に対して頑健なテクスチャ特徴量を提案した。頑健性を評価するために,51種類の布生地を10段階の解像度で撮影したテクスチャ画像510枚のテクスチャライブラリを作製し、類似画検索実験を行ない良好な結果を得た。 4.複数のテクスチャ画像のウェーブレット分解係数に変換を施すことにより新しいテクスチャ生成するテクスチャ合成手法を開発した。 また、合成した新しい画像のテクスチャ特徴量がテクスチャ特徴量空間上のどこに写像されているかを調べ、"自然なテクスチャ"を合成しているかどうかの評価を行なった。
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