研究課題/領域番号 |
09680392
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
伊東 一典 信州大学, 工学部, 助教授 (30043045)
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研究分担者 |
橋本 昌巳 信州大学, 工学部, 助手 (20242670)
米沢 義道 信州大学, 工学部, 教授 (90020982)
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キーワード | 仮想音響スクリーン / 音像定位 / 視覚障害者用GUI / 文字図形筆記支援システム / 頭部音響伝達関数 / Windows環境 |
研究概要 |
糖尿病や交通事故などにより、中途失明者が増加する傾向にあるが、中高年齢者は点字を習得することが困難で、読み書きを補助する情報機器の開発が望まれている。ところで、Windows 95 や Mac OS に代表されるような優れたGUI環境により、今日のコンピュータの操作性は格段に進歩している。しかし反面、視覚障害者をコンピュータ弱者としていることも事実である。そこで、実空間の音像定位機能を模擬した仮想音響スクリーンを用いた筆記支援システムおよびWindowsの環境下で使用するスクリーンリーダの可能性について検討を重ねている。本システムでは、タブレット上およびディスプレイ上に仮想音響スクリーンに対応する適当な大きさの窓が設定されている。この窓に文字や図形を筆記すると、ペン先の位置やカ-ソルの位置は音響信号に変換されヘッドホンを通して盲人に伝えられる。 本年度は正中面の音像定位のメカニズムを探りながら、音像定位を模擬した仮想音響スクリーンを構築し、視覚障害者用GUIへの応用の可能性について基礎的な検討を行うことを目的とした。実施項目は次の通りで、有用な知見を得ると共に次年度への足掛かりとした。 1.正中面の音像定位の要因およびヘッドホン受聴における音像の模擬の可能性について検討した。耳介レプリカによる耳介音響伝達関数およびダミ-ヘッドによる頭部音響伝達関数の測定を行い、音響伝達関数の振幅特性に存在する谷の周波数や深さと音源方向の関係を詳細に検討して、音像定位の効果的な模擬方法の知見を得た。 2.上記の知見を基に、パーソナルコンピュータのWindows環境下で動作する仮想音響スクリーンを構築して、マウスおよびペンによるカ-ソルの所定位置への誘導、簡単な図形の描画等の可能性について検討した。
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