研究者らは、カード操作ツールKJエディタと従来のインターネット情報検索システムを組合せ、従来システムで検索した情報を、KJエディタ中のカードに変換する機能をもったプロトタイプ・システムの開発を行ない、その試用をとおして、改良すべき点などを得ている。この知見をもとに、カードのメタファーを活かした、よりユーザ・フレンドリーな計算機支援環境の実現を目指し、KJエディタを拡張し、インターネット上の情報を検索できる計算機支援ツールの実現を進めてきた。 具体的には、KJエディタ内でいつでもインターネット上の情報を検索できるようにし、情報が一つ検索されるたびに、1枚のカードが自動的に生成されていくようにした。その情報から、ハイパーリンクをたどって別の情報に進んだときには、新しい情報に対応するカードが生成されるとともに、先のカードとの間に(ハイパーリンク構造を示す)関係線が付けられる。こうして、次々にたどっていった情報は、自動的に関係付けられたカードとして机上に並べられていくわけである。これにより、ユーザ自身の情報探索過程が机上のカード配置として一覧でき、「迷子問題」が解決されるとともに、以前に検索した情報にも容易に再検索できるようになると期待できる。 次年度以降は、上記ツールの高速化を進めるとともに、その評価をあわせて進めていく計画である。
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