研究概要 |
3次元エージェントアイコンの機能と認知性の関係を検討するために、3次元エージェントアイコンの操作モデルの生成を行い、それに基ずく仮想オブジェクト操作インタフェースの設計を行った。また、メンタルモデル生成プロセスのシミュレーションを行った。まず、3次元空間における人の対象操作特性を検証するために、被験者に液晶シャッター式立体視眼鏡を装着させ,画面に提示された球形アイコンを6自由度のある3次元マウスを操作することでポイントさせるタスクを被験者に課した。被験者から提示画面までの距離は100cmとした。アイコンの大きさは3種類とした.カーソルの初期位置からアイコンまでの距離は20cmから100cmまでの間に20cm間隔で5種類とした。アイコンの提示方向は各提示距離において目の水平位置(中心)の他に上下左右の4方向とした。実験の結果、提示距離が長くなるに従い操作時間も長くなり、アイコンが大きくなるに伴い操作時間は短くなった。実験では奥行き方向の操作を行っているが、得られた結果は2次元空間でのポイント操作特性とよく似た傾向を示すことが検証された。また,操作軌跡と操作特性に関しては2次元におけるマウス操作とは異なり、ターゲーット付近での細かなポイント修正操作が頻繁に見られたが、全体としてはFittsの法則がほぼ成立する。2次元アイコンの絵のデザイン要素として具象性,機能性,立体性,複雑性の関係について考察し、それぞれの要素軸に応じたデザイン指針を新たに提案した。これらの結果を基にデザインした3次元エージェントアイコンの操作におけるメンタルモデル生成プロセスのシミュレーションを行った.次年度は,そのモデルによるシミュレーションと実験値との比較検討を基に、3次元エージェントアイコンの機能性と認知性の関係を操作メンタルモデルとの関連で検討する.
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