研究概要 |
3次元エージェントアイコンの機能と認知性の関係を検討するために、3次元エージェントアイコンの操作性に関する実験を行い、仮想オブジェクト操作におけるオブジェクト位置推定方法について検討した。被験者に液晶シャッター式立体視眼鏡を装着させ,画面に提示された球形アイコンを6自由度のある3次元マウスを操作することでポイントさせるタスクを被験者に課した。被験者から提示画面までの距離は100cmから282cmとした。複数のアイコンを1辺が64cmの立方体の仮想空間に提示し、その中の1つをターゲットとしてポイントさせた。提示したアイコンの分布を粗と密とした。また、ターゲット位置は、被験者から容易に確認できる位置と、他のアイコンの影に隠れている場合の2通りとした。8人の被験者にそれぞれ125回の操作を行わせた。エージェントアイコンの位置推定の評価関数として、3Dマウスカーソルの位置とアイコンとの距離(d)、カーソルの移動方向とカーソルの位置を始点、アイコンの位置を終点とするベクトルの方向との間の角度(a)とし、dとaの係数を推定の重要度と定義し、それぞれの重要度を変化させ、全く推定しないでカーソルを移動させた場合とほ比較を行った。実験の結果、推定機能を使うことで、操作時間、カーソルヒット率に効果があることを明らかになった。しかし、距離と角度のいずれのパラメータが重要かは、ターゲット位置とカーソル位置の関係により異なるので、これらの組み合わせを空間でのカーソル位置により変化させることが、今後の課題として残された。
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